熊本市中央区にて庭木の剪定をご依頼いただきましたS様邸をご紹介します。和風のお庭を愛でられているS様邸には、たくさんの庭木が植えられています。さつきや斑入りアオキ、マキノキや末、ヒイラギ...など。作業前、どの植物も元気よく生長し、枝葉が茂っていました。リフレッシュとこれからの健康を兼ねて1本ずつ丁寧に剪定を行いました。
写真右側、マキノキや松の木は「玉散らし」に仕立てて行きました。玉散らしはシルエットが半球になるように整える仕立て方です。下の方の伸びた枝も剪定します。カタチを整えるだけではなく、風通しや日光が奥まで当たるように、古い葉も取っていきます。剪定後、一つ一つの半球の奥にひろがる空が見通せるようになりました。
庭木ゾーンの手前にはさつきが植えられています。植栽スペースと園路・アプローチを分ける役割も担っています。美しいラインがでるように丁寧に剪定しました。さつきはツツジ科ツツジ属です。毎年可愛いお花を咲かせるために、剪定時期が難しいとされています。それは、可愛いお花が咲き終わり、次の花芽を付けるまでの期間が短いためです。花後すぐが剪定の適期と言われます。花芽がついた後に剪定してしまうと、次の花が咲かなくなってしまいます。せっかくなので毎年お花は楽しみたいですよね♪ただ、剪定時期が難しいからといって剪定しないのはNGです。さつきは生長スピードが早いために枝葉が生い茂り、風通しや日光が奥まで入らずに病気になってしまうことも。技術や知識が必要であり高所の作業となる松の木などとは異なり、タイミングさえ気をつければ、さつきの剪定は初心者の方でも行えるとされていますので、お庭にさつきを植えられている方は剪定に挑戦されるのも良いかと思います✨
中央左に植えられているのは斑入りのアオキです。アオキは生長していくと葉が増えてきて重い印象になってきます。生い茂ってくると、他の木同様、風や光が奥まで行き届かず病害虫に侵されることも。少なくでも年に1回は間引き剪定や透かし剪定されることをオススメします。アオキは日陰でも育ち、ツヤのある明るい葉色なので庭木として人気の常緑低木です。春の3~5月頃に花を咲かせますが、あまり目立ちません。花後に赤い実をつけるのでそちらの印象が強いという方も多いかもしれません。また、アオキは斑の入り方が異なるものが数種あり、黄色の斑が多めに入っているものや黄色で葉のフチを囲んでいるものも。お庭を明るくしてくれますよ♪
写真中央右の背の高い庭木はモチノキ、そのお隣(一番右の高木)はトチノキです。モチノキは雌木であれば赤い実を楽しめます。アオキと同じく、お花は咲きますが目立ちません。美しい赤い実が印象的なのもアオキと似ていますね。剪定せずにいると10m程高くなる常緑高木。比較的強い種類なので、高さを抑えたり、樹形を整えるために強剪定を行うことができますが、強く刈り込みすぎると花や実の付きが悪くなります。樹形は生長すると整っていくので、強剪定は高さを抑えたい時に3月頃行うと良いとされています。
トチノキは落葉広葉樹で、春が終わった頃から花を咲かせます。剪定をしないでおくと、気が付けば10m超えていた💦なんてことも。20~30mくらいまで生長する高木です。葉がパキラに似ており、5枚くらいの葉がくっついているような形になっています。寒い場所では秋に紅葉しますが、暖かな場所だと夏が終わって落葉します。開花する樹木で円錐型に花を付けることが特徴的です。花が終わったら、そのまま山ぶどうのような形で実がつきます。風が吹くと落ちやすいため、あまり実が残ることはありません。残った実は栗の様になり、あく抜きすると食べられますよ。剪定では追い付かず、高くなりすぎたり根が広がり過ぎて足もとが不安定になった際に伐採される方もいらっしゃいます。伐採・抜根は重機が必要だったり、高所の作業が含まれたりと危険が伴う作業となりますので、専門業者に頼まれることをオススメしています。